日本一の山、富士山、一度は登ってみたい山ですね!
世界文化遺産にも登録され、夏シーズンには1年間に20万人以上の人が富士山に登っています。(2021年はコロナの影響で7万人と少なかったですが・・)
ところで、富士山に初めて登頂した人は誰でしょう?
そう質問されると答え出てきませんよね?
そういえば誰なんだろう?ってなりますよね。
もちろん私も知りません。
そこで、富士山初登頂にまつわるアレコレをまとめてみました。
富士山の初登頂者は誰?聖徳太子?
富士山に初めて登った人は誰でしょうか?
調べてみると
598年、聖徳太子が「甲斐の黒駒」に乗って空から降り立った
という伝説がありました。
聖徳太子は、「10人の話を同時に聞いた」というエピソードのようないくつかの伝説がありますが、その中の一つに、「馬に乗って富士山に降り立った」というものもあります。
「聖徳太子が馬に乗って空を飛びながら富士山に向かう」という絵も残っているそうです。
さらに、
663年、役小角が伊豆大島から、毎晩海上を歩いて富士山へと登っていった
という伝説もあります。
役小角は、修験道の開祖と言われていて、修行のためにいくつもの山に登ったと言われています。
山岳史家のマルセル・クルツの「世界登頂年代記」という本では、この役小角の伝説の663年を富士山初登頂の年としています。
この2つは、どちらも「伝説」で、実際には登ったとは言えなさそうですね。
富士山に初めて登ったのは平安時代の山伏?
では、富士山に初めて登った人は誰なのでしょうか?
平安時代の前期に、都良香という貴族・文人がいました。
都良香は、「富士山記」という文章を書いています。
富士山記では
・山腹の様子
・山頂の様子
・火口の様子
が具体的に書かれていて、この内容は、本人が登ったか、富士山に登った人から話を聞かないと書くことが出来ないと言われています。
ということは、
平安時代の前期までに誰かが富士山に登頂した
ということになります。
では、平安時代に誰が登ったのでしょうか?
先ほど紹介した修験道は、「山に登り、厳しい環境に自分を置くことで神秘的な力を得る」ことを目的として、飛鳥時代の終わりくらいから始まった山岳信仰です。
神秘的な力を得ようと、修験者(山伏)がいろいろな山で厳しい修行をしていたそうで、山伏の一人が、修行の場所として富士山を選び、登頂したと考えるのが一番自然な感じがします
ロマンのある話だにゃー。
富士山に初登頂した女性は?
富士山は、平安時代あたりから、修験道の山伏が修行のために登る山となりました。富士山を登る修験道の開祖の末代上人は、数十回、数百回も富士山に登山したと言われています。
その後も、室町時代までは、富士山は「修行の山」という位置づけで、一般の人が登ることはありませんした。
江戸時代に入ると、富士山を信仰する富士講が盛んになり、富士山に登ってお参りをすることをする人が現れました。
富士山が「お参りする山」になり、修行僧のような限られた人ではなく、一般人も富士山に登るようになりました。
富士山の五合目あたりには、たくさんの山ガイドさんがいて、登山の案内をしていたそうです。
しかし、当時富士山は「女人禁制」の山で、女性は2合目くらいまでしか行くことが出来ませんでした。
そんななか、小谷三志という、富士講の幹部の人は「女子が富士山に登れないのは差別だ」と考えていました。
機会をうかがっていましたが、1832年、深川の商人の娘の「たつ」という女性に声をかけ、富士山に一緒に登ることにしました。
とはいっても、女性がいればすぐにばれてしまいますので、男装して、さらにみんなが登る夏ではなく、雪が降り始める秋に登ったそうです。
頂上付近では、吹雪にも見舞われる大変な登山でしたが何とか登頂をして無事下山しました。
高山たつさんの登頂後、ひそかに富士山に登る女性が少数いたそうですが、やはり女人禁制の迷信は強かったそうです。
富士山が女性に正式に開放されたのは明治になってからで1872年、たつさんが初めて登頂してから約40年後の事でした。
富士山に初登頂した大名は?
ところで、歴史上の有名人で富士山に登った人はいたのでしょうか?
源頼朝、足利尊氏、徳川家康といった天下統一した将軍でも、日本一の富士山に登ったという記録はありません。
江戸時代の大名が富士山に登ったお話があります。
京都の大名だった松平宗秀は、参勤交代で京都と江戸を往復しているときに、いつも見る富士山を見ているうちに「一度登ってみたいな」と思うようになりました。
でも、江戸時代はの大名が、「参勤交代のついでに富士登山します」なんて言ったら将軍に怒られて、お家取潰しにもなりかねません。
それでも、何とかして登りたかった松平宗秀は、馬返し(登山口)まで行くという許可をもらい、目を盗んで日帰りで登山して帰ってきたんだそうです。
これが大名が富士山に登った唯一の例だそうです。
こんなことが許されたのも、松平宗秀は将軍家の親戚で後に老中になるくらいの有力な大名だったからなんです。
山好きの徳仁天皇陛下は皇太子時代に富士登頂
現在の天皇陛下は登山がお好きなことで知られています。
もちろん富士山も好きで、小学校の頃から学習院の屋上から富士山を眺めていらしたそうです。
天皇陛下は若い頃よりいろいろな山に登られていらっしゃいますが、富士山にも2度挑戦なさっています。1度目は1988年、この時は天候に恵まれず8合目までで引き返されたそうです。
そして、2008年、皇太子時代に無事登頂され、ご来光もご覧になったそうです。
1988年、2008年、となると、次は2028年、山好きの天皇陛下、是非もう一度富士山登頂されることを期待します。
ところで、徳仁天皇陛下以外に富士山に登頂した皇族はいらっしゃらないのでしょうか?
1923年に、当時皇太子だった昭和天皇が富士山に登頂されたのが皇族が初めて富士山に登ったケースです。
8合目まで馬で登られ、そのあと徒歩で登頂されたそうです。
当時陛下と言えば神様、大変な警備だったのだろうと想像できますね。
富士山の初登頂にまつわるエピソードまとめ
富士山は日本一の山
そんな、富士山の初登頂にまつわるエピソードをまとめてみました。
いかがだったでしょうか?
調べてみると、歴史上の有名人が登ったという記録が無いのが不思議でした。
武田信玄や、徳川吉宗あたりが登山しているかと思っていました(笑)
ここ2年は、コロナの影響で富士山に登る人も少ないみたいですけど、トモも一度は登ってみたいと思っています。